【 IT 戦略が進める方針 】
我国のIT 戦略本部は、IT 基盤整備を目標として活動し、それが達成されつつ
あることを踏まえ、次段階の「それを応用・実践する」ために、IT の利用・活用を柱とする「新IT 基本戦略(e-Japan 戦略II) 」を2003年7月2日に決定しました。
2001年から「e-Japan 戦略」に基づきIT 基盤整備への取り組みが進められ、さらに一般世帯へのインターネットの普及、電子商取引・電子政府関連の制度的な基盤整備も図られました。ここからIT 戦略として、こうした基盤を生かし、社会・経済システムを積極的に変革する第2期のIT 戦略が必要となってきました。
新IT 基本戦略は、こうした状況を受けて策定されたもので、第2期改革の青写真を描いています。第2期は「IT の利用・活用」とし、“元気・安心・感動・便利”な社会実現のため、利用者の視点に立った施策とともに、アジア各国と包括的協調関係を築くという、新たな国際関係の展開も目指しているのが特徴となっています。
さらに、世界のIT 革命を先導するフロントランナーとして、国際貢献・国際競争力強
化のための「IT 新改革戦略」を2006年1月18日に決定しました。
これまでの政府のIT 戦略施策の流れを整理すると下表の通りです。
【 新IT基本戦略の概要 】
e-Japan 戦略策定以来、ADSL の急速な普及などインフラ面では相当程度の進歩があったとしたうえで、新IT 基本戦略(e-Japan 戦略II )の戦略は、より利用・活用面に重点が当てられています。
新IT基本戦略の柱は、
◆IT を利用し駆使して無駄を排除し、国内全体の競争力を向上させる「構造改革」
◆IT で新たな産業や市場を創出する「新価値創造」
の2つです。
これにより、「元気・安心・感動・便利」な社会を目指す、というのがその基本理念になっています。
大きな特徴としては、国際貢献・国際競争力強化を念頭に置き、重点的にIT 化を推し進めるべき「先導的取り組み分野」を示したことです。国民にとって身近で重要な「医療」「食」「生活」「中小企業金融」「知」「就労・労働」「行政サービス」の7分野で、それぞれについて、実現したいこと、そのための方策、実行時の課題と対応、評価の軸などを提案しています。
ほかに、新しいIT 社会基盤整備として、ユビキタスネットワークの構築やセキュリティー対策を挙げたこと、アジア各国との協力体制の確立や戦略の実現状況を評価する機関の設置も今回新たに盛り込まれています。
新IT 基本戦略の全体像は下図の通りです。
先導的取り組みの対象となる7分野の中には、整備完了までの目標年度を掲げた項目も多く盛り込まれています。例えば、
◆医療では「認証基盤整備、電子カルテのネットワーク転送・外部保存の容認」(2005 年まで)
◆食では「1 0 0 %の国産牛について、B S E (牛海綿状脳症)発生などにおける追跡体制の整備」(2004 年まで)
◆生活では「希望する高齢者単身世帯への遠隔ビデオ会話システムの導入」(2008 年度まで)
◆中小企業金融では「信用保証の利用にかかわる事務手続のオンライン化」(2005 年まで)
◆就労・労働では「テレワーカー(注)を就業者人口の20 %に」(2010 年まで)
(注)情報通信手段を週8時間以上活用して、時間や場所に制約されない働き方をする人
◆行政サービスでは「総合的なワンストップサービスの仕組みや行政ポータルサイトなどの整備」(2005 年度末まで)
などがあります。
これらはそれぞれ、各分野の継続的な課題をIT で解決しようというもので、「IT があらゆる産業やサービスに大きなメリットをもたらす」という政府の考え方は変わっていませんし、社会が求めていることは言うまでもありません。
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